2007年08月19日

※平成13年度奈良県PTA協議会研究大会講演

期日:平成14年1月26日
演題:「21世紀における奈良県教育のビジョンと保護者の役割」
講師 奈良県教育委員会
      〜教育長 藤原 昭氏〜


藤原教育長講演記録
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藤原教育長講演会
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1.本講演会レジメ


2.本講演会パンフレット


3.奈良県教育懇談会 討議内容    <−− 奈良県庁のホームページへリンク


4.県立高校将来構想審議会 答申全文 <−− 奈良県庁のホームページへリンク
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  藤原教育長 講演会全文
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2002(平成14)年1月26日(土)奈良県社会教育センター
 −−− 経  歴 −−−
昭和19年1月15日生まれ
昭和41年3月 京都大学工学部建築学科卒業
昭和44年3月 京都大学大学院工学研究科終了
昭和59年4月 奈良県土木部住宅課長
昭和63年4月 奈良県企画部次長兼学研推進室長
平成 3年4月 奈良県開発局長
平成 7年4月 奈良県企画部長
平成11年4月 奈良県教育委員会教育長
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 久し振りに自分の経歴を聞いてまして、先日丁度58歳になったばかりだなと思っておりました。
誕生日を思い出しておりまして、昔は1月15日は成人の日でしたので、毎年人に祝って貰っていたのが、ここ2年ほど前からは、普通の誕生日になってしまったなーと。思わぬ紹介を受けてそんな事を考えて、登壇させて頂きましたが。


 与えられた時間が1時間30分もありますので、大体聞いて頂くのは、ほんとは1時間以内位か40分位が良いのかなと思うのですけれども、休み休みお聞き頂いて、自分が興味有るところだけちょっとどこかに仕舞い込んで頂けたらなと思います。
このごろ子どもの授業時間も全部が統一して50分という事じゃなくて、大分色々工夫をすることが出来ます。45分授業とか70分授業とか、そういう授業も現れてきてます。それぐらい学校の中でも、子どもの緊張度がどこまで保たれるかという話も有りましょうし、理科の実験とかはちょっと時間を取るのが良いとか、そんなことも有ったりして、学校の中の授業の時間が、色々それぞれの学校の考えで変える事が出来る。そんな時代に、もう学校は入っていると思います。
そういう意味では1時間ちょっとではございますけれども、まさにこの4月から、新しい学習指導要領という、全国でこういう風に基本的な学習を統一しましょうというのが学習指導要領ですけれども、それが大きく、ものすごく質的に変わるという時を迎えています。
なかなか、日頃、生活していますと、それがどんな事なのかなというのを、細やかにお知りになるという機会は、なかなか無いかも知れませんけれども、少しそのあたりの話を中心にさせて貰って、皆さんのお子さんがどのような学校生活になって行くんだろうかと。併せて周りの環境整備の話もさせて頂きます。

アメリカの教育制度

 以前、学校の制度というのは、こんなに違うんだなという風に、初めて教育を担当させて貰った時に思いました。
アメリカに視察に行かせて頂いたことがあります。日本では教室に居るのが子どもで、先生がそこへガラガラッと開けて教壇に来るという姿が、私どもにとっては当たり前だと思ってたんですけれども、アメリカに行きますと、先生がその部屋にいて、そこへ子どもがゾロゾロッと、授業時間ごとに変わってやって来る。
全く逆だったんですね。それぞれの先生の部屋を見せて貰うと、自分なりに部屋を作っているんです。教材を色々壁につり下げたり、椅子の置き方もグループ毎に置いたり、日本のように置いてみたりとか、少し片方に置いて広場を作ったりとか、要するに自分で考えて部屋をあしらっておられた。
確か映画でも見たかなとその時思い出したんですけれども、まず基本的にこんな所まで違うんかなと。
だから色んなやり方があるという。その中でPTAの方々とも会合させて頂きました。
丁度たまさかそこの校長先生とPTAの方と先生方、先生もPTAですが、一緒に居て頂いていて、そのときの話で興味のあったのが、学校と地域との間でどのような、一緒にイベントなり、あるいは活動なり、どんなことを企画していくかという、企画の担当者がそれぞれPTAの中にも居られる。先生方の中にも居られて、それぞれが子どもたちの地域の活動、あるいは学校の活動の中での活動で一緒にやれる事は、どんな事があるんだろうかという事を、協議をされる。そして実施される。なるほどなと思いました。
その時に何故そんな事になったかという事で、保護者の方は、学校に子どもを預けていたら安心やと、それまで思っていた。ところが、学校の色んな実態を聞いているうちに、子どもの学力もあまり付いてないし、どうも上手く育っていないんじゃないかと。安心していたところがどうも、保護者の方々に、学校に実態、子どもの実態を知るにつれても不安が出てきたという事が根っこにあったようです。
だから自らも少し学校とパートナーシップを取りながら、協力していかなければならないというのが発端だった、という風にお聞きしています。


 兎に角、アメリカの学校は教員免許を持っていない人も先生になったりとか、教材も十分に無いとか、そんな地域も抱えているとかで、非常に州毎でバラエティが有りますけれども、今の学校への関与の仕方みたいなのは、父兄の方々の関与の仕方は大変参考になったなと帰ってきた事がございます。
これも最初の話のように、学校の制度も自由に動かせる。それから地域との間で一緒になって、学校を作り上げていくと、そういうような動きを、肌で感じたわけです。

新学習指導要領について

 こんな事があるんだなと言うふうな事を頭に置きながら、実は新しい学習指導要領で進められている学校というのは、どんな考えで進められているかというのを、ちょっと時間をお借りして紹介していきたいと思います。


 まず週5日になりますから土曜日は学校がありません。実際には時間としても1週間で2時間減っていきますね。
その減った上に教える内容を3割減らしています。良く厳選して、精選してという言葉がありますけれども、3割減らしています。それに新たな総合的な学習の時間というのを入れています。
形としてはこういう形なんですが、こういう話をお聞きになられた時に、まず気に掛かる事は、3割も減らして大丈夫かいなという、そういう事を気になさると思います。


一つは減らし方を少しだけ説明させといて頂きたいんですが、例えば、今まで読み書き、この学年ではこれだけの字を覚えなければいけない、というふうに学習指導要領に決められています。
例えば、小学2年ではこれだけ、中学1年ではこれだけと。それを、読み書きをその1年でやってしまおうというのが今までのやり方でした。
読むのはその1年にするけれども、書くのは2年間に渡ってしましょうというような、そんなやり方、つまり、進めるのをちょっと遅くする。しかし最終的には総数は変わりません。ですから進める速度、テンポが遅くなりますから、その分が減らす時間数にもなってきます。


それから、良く例に出されるんですけれども、台形の面積の公式を外しました。台形の面積の公式というのは、僕らも覚えていますけれども、しかしこれも、三角形と長方形、正方形、平行四辺形の面積をきちっと覚えていたら、台形を少し分割したりしたら、面積は出ますよね。
という事は、台形の面積の公式を覚えていたら確かに楽だというのもありますが、公式のまる覚えでなくて、その台形の面積を出すために、長方形・正方形・平行四辺形の公式を覚えていれば、こうして出せるじゃないかという風に、考える事の方が大切なんではないかと。考えながらそれを作っていく。
そういう風にしていくという事で、公式をそのまま覚えなくても、良いではないですかという事で、その公式をカットしているというような事があります。


そして英語も、実は1000語、中学3年の間に教えるというのを900語にしています。
100語減らしていますけれど、これも、実際には日常的によく使う会話の、言葉に絞って、話す事を中心にしながら、語数を絞ってそれを繰り返し使うという時間を取っていくという事なんで、これも1000語から900語に減らしていくという事自体も、それぞれ大きな学力の低下には結びつかないだろうと。
逆に新しくしっかりとした、話す英語の力が付くという事を考えて減らしているという事でも有る訳です。
実際そういう事とずーっと組立てていきますと、ほんとに厳選して減らしているという事をまず少しご理解しといて頂きたいと思います。


しかし現実に減っている訳ですから、少なくとも知識として台形の面積の公式を覚えないとかいう意味では、知識として減る訳ですね。
ところがその減った時間を実は総合的な学習の時間とか含めて、「考える力」を付ける時間に結び付けようとするのが、これが一番新しい教育課程の改革だという風に、ご理解して頂きたいのですが。
今の子どもたちに、ただ知識だけを覚えおくという、そんな子どもたちをドンドン育てていくというのは、どうかなというそういう考えを大変多くの方がお持ちだと思います。


そういう意味では、自分でこの問題はどうしたら解決できるのか、これはいったい何が問題なんだろうか、自分の頭でしっかり考えるような、そんな子どもを作っていかないと、覚えてるだけの子ども、知識偏重型の教育だけで育った子どもの力の限界があると思います。
ほんとに学力というのは、そういう物を自分で見付け出して、そして考えて解決していく、そんな力を付けさせて行かねばならない。と言うことになる訳です。


そうしますと3割は減らしました。時間数にしたら土曜日というのは2時間ですから、全体にしたら1割も無いんですね。だからまだ2割以上の時間が残る訳です。
その一部の所に今、言いました総合的な学習の時間を、週2時間ないしは3時間入れていって、そこで色んな体験もしながら、考える力を付ける新たな授業を入れていくという、これは私たちが学校で学んでいた時には無かった授業だと考えて頂いたら良いと思うんですけれども。


例えば一つのテーマを決めて、それをもし必要なら学校の外へ調査に行って、自分で調べて、あるいは又、図書館でどういう風に調べるかという力を付けるために調べて、それをまとめて書いて、それを発表して討論する。
良く日本人は発表するとか討論するのは余り上手じゃ無いと言われてますが、討論する力とか発表する力をしっかり付けていくという事が、物を考える原点ですから、そういうような授業の取り組みを入れながら、総合的な学習の時間というのは、進んでいく訳です。
だから子どもたちが物を考える力を育て上げるそんな時間が、実は授業のある時間に2時間ないしは3時間週の中に組み込まれている。
今までの国語とか算数であったように、総合的な学習の時間というのは、そういう形で組み込まれていると言うことになる訳です。これは全く今まで日本では実施しなかったほんとに画期的な事だと思います。これは今まで少し過渡的に色々各学校で取り組まれた、それが今度は4月からは全学校で義務的に入ってくる。こういう事になる訳です。
そうして3割減らした時間を使って、そういうような先ず総合的な学習の時間みたいなのを入れていく。つまり、物を覚えるだけで無くて、考える力まで子ども達に付けさせていく、そんな時間を作り出すのと、もう一つは、まだある意味では余っていますよね、3割減らしている訳ですから、そのうち総合的な学習の時間を2時間から3時間を入れてもまだ余る。
その部分を実は、学力や知識を十分に全う出来ない子どもの為の補充授業をキチッとするとか、ある程度進んだ子どもで、基本のところが出来てる子どもには発展的な学習を用意するとか、補充授業で徹底した到達をさせるという事と、それからもう一歩進んだ学習を取り入れていく、こんな授業を組み合わせながら、残りの時間を組み入れていく、そんな仕組みになっていく訳です。


ここで起こっていくことは、これから目指していく一つは「基礎基本の徹底」と、「自ら学び自ら力を身につける」事が一つの大きな流れだと考えて頂いたら良いかと思います。
基礎的なことを減らした分の内容は、その学年で身につけて行かなければならないところは徹底してやる。それが「基礎基本の定着」です。完全に習得させるよう努力する。
それから今のように総合的な学習や色んな時間を入れる事で、「自ら学び自ら考える力を身に付けさせる」事をやっていくが、一つの大きな狙いであります。
良く「ゆとり」と言われていますのは、実は緩みとかそういう事じゃなくて、今のように3割減らす事によって、時間的なゆとりとか出てくる訳ですから、それを考える力の利用にとか、あるいは習熟度別の授業にとか、こういうところに活用していく、そういう事だと理解して頂いたら良いと思います。

 それから二つ目は、途中で申し上げましたけれども、発展的な学習をして一人一人の個性に応じた力を伸ばしていく という事も、これからの大変重要な取り組みとなっています。
先ほど申し上げましたけれども、一定の到達の所までは全員が到達出来るようにしたい。
その為の繰り返し学習というものは、それぞれの学校で相当やられると思います。で、それ以外にそこへ到達した子どものために、さらに発展的な学習の教材を使いながら、新たな個性を伸ばした、そのような勉強もしていくと言う事で、何かある一つの基準に合わして、みんな教えてしまった時に、それについて来れない、なかなか解らない子ども達は、益々学校は面白くなくなるし、理解の進んでる子どもは退屈になると言うような、そんな授業の形を、それぞれの個性に合わせて、解らない子どもを作らない。
その為の繰り返し補充指導はやる。それから解っている子どもにはさらに発展的な学習の教材を使いながら、授業の組み立てをしていく。
こういう事をやはり子どもの峻別とかそういう事では無くて、興味とか関心とかそんな状況をしっかり考えながら、進めていくという、これも大きな、今までの、画一的に進めていたものと違うような、そんな授業が学校の中でさらに展開されていくのが、二つ目の狙いと言うか動きだと思って頂ければ良いかと思います。


 それから三つ目には、「学ぶ事の楽しさと」か、或いは「学ぶ意欲」というのを付けさせようというのが大きな狙いです。
OECDという国際的な組織がありますけれど、そこで30数カ国の学校の学力の到達度みたいなのを比較したのがあります。
去年の12月に出た一番新しいデータになりますけれども、日本人はやはり知識が付いているか、実社会の中で使えるかという意味では、上位にいます。それはそうだろうなと言う気はしています。
ところが一番最下位というのは、実は勉強する時間だというふうな記録が出ています。家庭とか学校でトータルに勉強する時間が、日本人は32カ国中32位だったと思います。比較している32カ国の中で最下位だという。良く言えば余り勉強しないのに力が付いてるという事かも知れませんが、しかしこれは後で大きな問題になってくると思ってます。
それからもう一つは、文章を読む力という総合的な読解力がやや落ちている、というようなそんなデータがあります。
そこでちょっと気になるのは、やはり勉強する時間が、学ぶ時間が最下位だと言う、これはある意味ではショッキングなデータかも知れません。長い目で見ていけば学ぶ意欲とか学ぶ楽しさみたいのが身に付いていないと言う事になる訳です。これをどんどん膨らましていった時の問題というのを感じておく必要があるのではないかと思います。
そういう意味では今度の新しい学習指導要領の中でも、学ぶ楽しさをしっかり身に付けさせるような取り組みをやっていきたい。
それは今まで、学校の先生が一生懸命黒板に書いて教えているというような、そんなやり方でだけでは無くて、外に出て色んな体験をさせるとか、外から地域の人が学校へやってきて、自らの体験談を話して貰うとか、つまり子どもが肌に触れるような授業を受ければ、これは面白いと誰でも思う訳ですね。ですから生の学習をしっかりやる。
あるいは最近、良く取り組まれていますけれども、朝の読書の時間とか、これもすごく良い効果を出していると思います。
そういうように何か体験をしたりとか、自分の学んでいこうという意欲を付けていく、そのような授業のやり方取り組み方、そういう意味ではどんどん色んな形で社会の方々が、学校の中に入って頂かないといけないし、子ども達がもっと社会の中に入って学んでいくという姿勢なども大切なんではないかと思います。


 このように、新しい学習指導要領というのは、繰り返してみますと、基礎基本を定着させる、そして自ら考える力をしっかり付けるような、そんな授業を展開して行かなくてはならない。
それから個性を伸ばしていくような発展的な授業も増やしていく。やっぱり、学ぼうというそんな意欲を身につけるようなそんな授業も展開していく。
学校の中の授業の姿ですけれども、教育課程とか言っていますけれど、姿がこんな風に変わってくると、すでに良く認識されている方もおられるかと思いますけれども、これは実に大きな変化だと思います。
これまでも私ども実は、こういう新しい学習指導要領に向けて取り組みをして来てます。その中で一つは、これは中学2年生が対象だったのですけれど、最低3日間の地域での体験学習をやって貰い、企業体験とか福祉体験とかそれぞれの体験をして頂いてます。
各学校色んな取り組みをして頂いています。これもそうですし、それから少人数授業という事で、小学校中学校で基礎的な科目、国語、算数、理科とか、或いは英語とかに限って、授業を受ける生徒をほぼ30人以下になるように、クラスを動かして、その時の授業だけ少人数で受けられるように、その取り組みを今年度から始めています。
学校の中でこんな事が起こっているふうに、少しずつご認識されているかも知れませんが、今まで「TT」という複数の先生で一クラスを教えるという事を大分やっていました。
まだそれが少し続いてますけれども、少しずつ、今度は一人の先生が40人クラスでなくて30人以下の学級で基礎的な学科の所は教えていくという事をしていきます。
これは一人一人よく見られるという意味でのそんな学習も続いています。
こんな事もありますし、そういう意味では、新しい学習指導要領の実現に向けて少しずつこういう取り組みがされてます。


 一方では先生方も、先生方にとっては、これまでの経験からすると、えらい授業の変化ですよね。そういう意味では、総合的な学習の時間などは、教科書がありませんから自分で授業の企てをして行かねばならない。
という事で、どんな形で子ども達を誘導していくか、導いていくかという所あたりで、大変勉強してきて頂いていますし、実際に色んな取り組みを進めてきて頂いています。
そういう中で研修の体制なども充実してきている訳ですけれども、先生方も学校で5年して頂いた方は、全員企業研修に、これは2日間ですけれども全員の方が、企業研修とか福祉体験研修に行って頂いてます。
先生方も、外も見てそういうような子ども達にほんとに生きていける力を付けるような、そんな勉強もして頂いています。
そんな形で、先ほど申しました、新しい学習指導要領に向けての取り組みを、ここ2・3年やってきたところでもあります。
大きくこんな形で学校が変わります。教育も変わります。このような中で大きな教育改革という事が言われていると思って頂ければ良いのかなと思います。


奈良県教育懇談会の中間提言


 さらにですね、こういう学校の中の教育課程と言いますか、それだけでは無くて、それを支えていく学校の制度、それからまさに主役を担う教員の方のさらに資質の拡充や拡大とか、こんな事も必要になってくると思います。
そんな事も含めて、私どもは教育改革の懇談会、奈良県教育懇談会というのを一昨年設立させて頂いて、色んな意見を出して頂いてます、皆さん方に。
その中で少し、取り纏められたというので、昨年、中間提言というのを頂きました。実はこの内容というのは、私どもが検討している内容ですし、具体的に取り組める物は取り組んでいる内容もありますし、学校の中、教育の課程以外にこんな事が変わってくる、こんな動きになってくるという所あたりを少し頭に描いて貰うためにも見ていただければ良いと思うのですが。
お手元の冊子の中に教育改革のための中間提言という1枚があります。中間提言と言う事で昨年の11月に教育懇談会の会長さんから頂いた内容ですが。少し、どんな事を、ある意味では県の教育委員会が検討しているのかと言う事を頭に描いて欲しいのですが。

家庭教育

 一つは家庭と就学前教育の充実に向けてということで、入学してくる以前の教育をしっかりしなきゃいかんというこの議論が大分されています。
私どもも2年前に家庭教育部というのを作って、相当色んな活動をさせて貰っていますけれども。
その後教育委員会の仕事中に家庭教育というものが入ってきました。それまでは家庭教育というものは、あまり教育委員会で取り扱う仕事ではなかったという認識がどこかにあったんです。
しかし家庭教育が教育委員会の仕事という事で、法律の改正をしながら、昨年位置づけられてきました。
その家庭教育と幼稚園を含めて学校へ入ってくる前の教育をしっかりしなくてはいけない。そこが問題だという議論が一つありました。
その中で例えば父親学や母親学のアニュアルの作成をする。私どもがイメージしている物は、集団検診の時などにこういうマニュアルをお子さんを持った人には、全員に渡るようにしたいと思って、今構想はしてます。
それは親になったと言う事は、どういう事か、あまりにも残酷な、かつて考えられなかったような親子の関係が新聞紙上をにぎわすようになっています。そういう意味では、親になった責任とか、親になったらどうするのか、少なくともこれだけは躾をしとかなきゃいかんとか、こういう事をしっかりと書いたマニュアルを親になった人全員に渡すという事を、是非したいと思っています。そういうのを作ったらどうかという提言を頂いています。
これは是非具体的に進めたいと思っています。

今まで私たち家庭教育の中で、いろいろ一言提言とかキャッチフレーズを募集して、面白いフレーズが出てきました。また自分の家ではこういう事をしようとスローガンを作ろうとそんな運動も進めさせて頂いています。
自分の家の子どもをこういう風に育てようとか、家庭全体でこういう事をしようとか、スローガンをしっかり作りましょうという運動を実は進めさせて頂いてます。
家庭教育の日とかそういう物を設けたりもしていまして、そういう意味では、そこの教育こそ、家庭が成すべき教育は、やっぱり大切だという意識で色んな取り組みをしてきています。それをさらにマニュアルみたいな形で全親御さんに渡していくと。
こんな事を提言して頂いてます。これはいよいよ具体的に取り組んでいきたいと思っています。

学力向上に向けて

それから、2の所に学力向上に向けてというのが、これは先ほどの学習指導要領にやや近い話ですが、小学校低学年における基礎基本、これは「読み書きそろばん」と言ってますが、或いは中学第一学年の英語の学習の徹底と言う事で、これはどの児童生徒にもその年代で教えるべき事の、これは小学3年になるのか5年になるのか、そこまで確実に確実に全員に身に付かせていく。
これをしっかりやって行くべきではないかと、私どももそんな思いを持ちながら、これを見ています。
その下にですね、到達目標を明確にして奈良県内一斉に学力調査の実施というのがあります。これは今言いました、この学年には少なくともここまでは到達すると決めたら、子どもがそこに到達しているかどうかを確認する学力検査をしてみたい、したらどうかという提言ですけれども。これについても私どもも検討していきたいと思っています。
ほんとにそこまで来ているのかどうか、来ていなければ、きちっと補充授業なりをしながら確認をしていって、やらなければならない。
これは、よく言う能力別の授業を決めるという学力検査ではなくて、そこまで来ているかどうかだけの学力検査という風に位置づけて考えています。
七五三とか言って、小学校の時は7割ぐらい解ってるけれども、中学に行ったら5割になって、高校になったら3割が解ってるだけだ。つまり小学校の3割、中学の5割とか、高校の7割が授業が解らないというそんな結果が出ています。
この「解らない、解らない」を無くす。解らないから、学んでいる事にはならないですから、これを絶対無くしていこうと。これに結びついていくという風に思っています。
解らなければ勉強が面白くない、学校が面白くないと、色んな問題が発生していきますから、是非その到達目標に来てるか、来てなければ補充授業をきちっとすると、そのいうような事をしながら、完全に習得させると、こういう事をしっかりやるべきではないかと提言を頂いていますが、これについて私どもも具体的にどういう形で兼用していくかと言う事も前向きに考えているところでございます。

習熟度別の授業の推進と学級担任制の弾力化

 それから、習熟度別の授業の推進です。先ほどの発展的授業も組み入れた形で、この授業の推進を図っていきたい。
その次に、小学校高学年での学級担任制の弾力化という事で、小学校でも複数の教員から学ぶように出来ると。教員の方から見たら小学校では、ある程度全部教えなければならない訳ですけれども、自分の得意な教科というのをそれぞれお持ちな訳です。
その得意な教科を教え合う。つまりクラスを動くと言うのがあっても良いのではないかと。つまり学級担任制の弾力化という表現になっていますけれども、これは具体的に国全体としても進める方が良いのではないかという考え方もあります。
小学校の中でこういうような学級担任制の弾力化についての提言として頂いて、私どもの検討する大きな課題ですし、もう一部では学校の判断でやっている所もあります。
先ほどの少人数授業というのも、普通は2クラスですけれども、国語の時間だけ、あるいは算数の時間だけというように、形としては3クラスに分かれている。40人学級が30人以下の学級にその授業の時だけ変わっていくという事になる訳ですね。
いろんな形がありますけれども、それもいろんな先生に小学校の時に学ぶ訳ですから、ちなみにその時に、小学校でしたら全部出来れば、あと4年たてば、1週間の内に3分の2の授業が、そういう形の少人数の授業で展開出来ると考えていますし、中学校では半分の授業が30人以下で出来る。
そういう形でそれぞれ順番に少しずつですけれども、教員の配置を増やしていってる。そういう風にしています。
そういう意味では、小学校に於いても一人の担任ではなくて、担任が複数になるというような、こんな取り組みにも、考えていったらどうかという提言もありますし、具体的に取り組める所は取り組んでると言う事でもあります。

学校の経営改善

 それから学校の経営改善に向けてという項目があります。まず校長がですね、学校の責任者ですので、「この学校はこういう教育目標を取ります。」と、その為には「今年はこのような教育計画を立てます。」と言う事を校長先生が保護者や地域の方々に、公表して頂く。ある意味では宣言して頂く。そして、教員の方々と一体になってそれを推進して頂く。
こんな事をしますよと言う学校からのニュース、情報公開、あるいは説明をしていく事があって、その次に目標がどこまで達成したのかと、また評価して公表する。保護者の方々、地域の方々に公表していく。
こういうように学校も社会の中の閉ざされた組織ではなくて、みんなが何をしているのかどんな事をしようとしているのか、みんなで解ると、そういう学校にしていかなければいけない。
そうするとどういう事かと言うと、この学校は今年一年でどんな事をしようとして、どのくらいまで内容を高めて行こうとしているのか。この話を先にみんなに解って貰っていて、ここまで達成しましたよと、また評価として出して頂いて、そういうような学校側からの説明責任というか、今やもう必要ですので、それが解る中で、それぞれ保護者の方や地域の方が学校に対しての意見なり、理解なり、協力が進んでくると、こういう事になると思いますので、開かれた学校作りの姿を、そう遠くない時期に、ある意味では一部やっておられる学校もありますけれども、こんな形で学校というのが、みんなに見えてくるように、そんな風になって行くと思って頂いても良いのではないかと思います。

県民から信頼される教員を目指して

 それから高等学校の話は後で簡単にさせて頂きますので、5番に、「県民から信頼される教員を目指して」と、本当に重要な教員の方々の役割だと思います。
しかも大変学校が質的に大分変わってくるなとイメージをお持ちだと思いますけども、そんな中で教員の方々がどんな形で生徒を指導していくのか、そういう所あたりで、地域の方々に信頼される教員になって行かなくてはならない、という風に提言の中でも頂いています。
例えば、授業の常時公開です。これもやっている学校が若干有ります。しかしこの公開というのは、これから進んでいくと思って頂いて良いですし、皆様方が実際には、先ほどのアメリカの例ではないですけれども、自分が学校を見に行った時に、こんな事になっていたのかと、自分が子どもを預けたと思っていた事からとすると、あまりにもギャップが有ったんで、びっくりされて、学校とのパートナーシップを取らなきゃいけないと言う思いに至られたという経緯からしても、学校がどんな状況にあるのかというのを地域の皆さん、保護者の皆さんが見ているというそんな体制づくりをしていく。
授業の公開というのも定期的な授業参観だけではなくて有っても良いのではないかというのが、常時授業公開の提言にもなっています。学校によっては取り組まれている所もほんの一部ですけれども有ります。

指導力不足教員の処遇

 それから、指導力不足教員の処遇という、指導力不足だけでは無いのですけれども人格的にも問題のある教員というのが現実におられる。
それが昨年度も大変申し訳ない事ですけれども多くの事件が有りました。校長、教頭を含めて有りました。
ほんとに残念な事ですけれども、そのことに対しては厳正に対処していますけれども、しかし実際に組織の中でこういう指導力を欠いた、あるいは少し病気もありましょうけれども、人格的に問題のある教員もおられます。
このあたりをどういう形で対応していくのか、ここもしっかりしていかないと。良く聞く話ですけれども、「あの先生の担任になったらよかったけれども、あの先生になったらエライことや」とかいうような声を言われる保護者を、私も良く耳にしますので、そういう意味では教員の力をしっかり付けていくという為にも、指導力不足教員の対応を、研修を初めとして色んな形でさらに充実させていかなければならないと言う提言でもあります。
実は私どもは今、教員の資質向上に関する委員会を持って、このような指導力不足の教員等への対応を、どうしていくのかという事を今年中には出していきたいと思っております。
こんな形で、教員がそして学校が地域から信頼されるという姿を作り出していかなければならないと思っております。

地域人材活用の促進

 一番最後に書いてあるのは、地域人材活用の促進です。これは最初にお話ししましたけれども、生きた授業をしっかりやって頂くという意味で、地域の方々が、以前から比べたら学校の中で色々と支援して頂いたり、あるいは授業に参加して頂いたりしています。
支援では小学校では、「ふれあいフレンド」という形も有りましたし、これから学校支援スタッフとして教員外の人が入って頂いて、子どもの側にいたり、色んな学校活動の支援をして頂くというような事をやろうとしてます。
それ以外に地域からの講師の方々として、授業をやって頂いている、そういう方も大分出てきています。コミュニティ−ティーチャーとちょっと言いにくい名前ですけれども、そういう人材登録をしておいて頂いて、授業の時に来て頂くという、これは授業もそうですし、部活もそんな形での取り組みもしています。
地域に人に学校の中にそういう力が足らない所は助けて頂きたい。それから学校では学べない事を子どもに学ばせなければいけない、そんな時期になっていますから、是非ナマの勉強をしっかり教えていく地域の人たちが、どんどん入っていく仕組みは、これから益々拡げていきたいという風に思っています。
また逆に子どもが外に学びに出るという、そんな機会が先ほどの学校イキイキ体験というような言い方で、私ども中学校でそういう授業をしてますけれども、そういうのをドンドンさらに拡げていくという事になりますので、今度は地域の中へ子ども達が入って行って、そこから学んできて、それはやはり「考える力」を付けるのに大変大きな教科の勉強にもなるし、考える力を付けるのに大きな役割を成すと思いますので、そういう意味では学校が別の所に在るんじゃなくて、地域の人も学校に教えに来て貰う。
学校の生徒達も地域の中へ学びに入るというような、地域もそれを受け入れて頂くという事が、大変これからの活動が大切になってくると思っています。
一番最初に挨拶の中でも言いましたように、学校5日制になっても地域と家庭と学校とがそれぞれの役割をしっかり担いながら、一緒になって子どもを育てていくという、そういう社会の子ども観と言うんですかね、「子どもは学校に預けてとけば良いんや」という感じでは無くて、社会の見る子ども観とか教育観というものが、実は、学校の拘束時間が減ってきて残りが増えるという中で、やはり社会全体で子どもを育て上げていく。
そういうような良い機会だという風にこれを是非取り上げていく。その為には、こうして地域の皆様方の活動に期待すると言う事にもなると思います。
ある意味では保護者の方々、PTAにも大きな役割をして頂く必要があるのかなと思っております。
学校とか地域の関わりがどのように変わっていくのか、少しは頭に描けて頂いたのではと思いますが、本当に質的に変わっていくのがこれからの5年、ずっと続いていくと思いますので、PTAの組織としてどんな事を学校側と話していくのが良いのかと言う時、先生方がこういう内容を少しずつ身につけ理解された上で進めようとしておられますので、ご参考にして頂けたら良いのかなと思っています。
学校を変える時、外部の力も必要ですので、なかなか県の教育委員会だけで、こうするといかない所もありますし、基本的には、学校の校長先生がリーダーとして重要な役割を担われますから、私どもは大きな助言・支援などは各学校に向けて行いますけれども、大切なのはその地域の保護者の方々の声とか、或いは支援とかは大変大きな役割になるかと思います。
まだ皆様方はこの事について学校と話をされていないので、先生方も地域の人たちとこういう形でどこかで意志疎通を取れるような、そんな地域の中の学校作りというものを進めていく、そんな事が大切ではないのかなと思ってます。

県立高校将来構想審議会の答申

 あと少し時間を頂いて、皆さんは県Pですから小中学校ですけれども、県立高校がこれからどうしようかと、どんな風になるのかという事をここ2年検討をしてきてます。
議論が纏まっていったら、今年中には県立高校の再編統合計画をご議論して頂いた上で発表させて頂きます。と言うような事になるかと思います。
ある意味では皆さんのお子さんが進まれようとしている奈良県の県立高校の将来像を、少し時間を頂いてご紹介していきたいと思いますが、それが県立高校の在り方についてと答申の概要と書いてあります。
実は「将来構想審議会」という審議会を色んな先生方で、これは大学の先生とか各種団体の代表の方も入って立ち上げています。
どんな高校作りをするのかと言う事を先ずご議論頂きました。具体的に再編統合するという具体的な話にまでは行かないのですけれども、その再編統合に向けての在り方を「答申の概要」という形で纏めて頂いてあります。
これは昨年の9月に纏めて頂きました。その後、今、具体的な再編統合に向けての検討委員会を持って、月2回ぐらいペースでご議論頂いてます。この高校はどのような形の高校にするのか、そのような高校にする為には、ある意味では、再編統合を、何高校と何高校を再編統合するかというような所まで、具体的なご議論を今して頂いているところです。
その背景になっている所とか、考え方になっている所を今日ちょっとお話しさせて頂ければと思いますが。

県立高校の目指すべき方向

 ちょっと開いて頂けますか。「県立高校の目指すべき方向」と書いています。
私の方から諮問しましたのは、「県立高校の目指すべき方向と県立高校の適正な配置及び規模」についてこの審議会に諮問を致しました。
色々見てきますと、今、社会が大変に変化してきております。情報化、これも正に目の前で大きな変化があります。
少子高齢化。高校の進学率については、97%を越えています。自分の時代から考えると考えられ無い位の高率になっています。これは大きな変化だと思います。それが左の方に少し書かして頂いてます。高校における不登校とか中途退学も多い状況が見られます。こういうような変化とか、これだけ沢山の生徒が高校に入ってきますと多様なニーズを持っています。
それから右の方を見て頂くと、「今後も続く生徒数の減少」というのが有ります。生徒の数が減ってきているなというのは、皆さん方も気付かれておられると思いますけれども、高校の場合は平成元年度がピークだったんですが、平成19年、今から5年ぐらい先に最低になり、一番多い時の6割ぐらいになります、4割減る。それからほぼ変わらずにその推移していく。そういう事から考えますと、小学生の生徒数が減ってきていましたが今は大体同じ数で推移しています。そんな感じに高校もなるのかなと。
中学は後3年ぐらい減り続けると、そういう状況があります。高校は5、6年減っていく、順番にいきますからね。
こういう状況を見ますと現在県立高校は43校有りますが、ピーク時の規模からいきますと、平成19年度には28校になります。当時は45人学級でしたから、33・4校ぐらいが適正かと思います。
数字的にはそんな事になるのですが、その時に学校の規模をどう考えるのか、1学年の学級数をですね。そこをご議論して頂きたいと思っています。
余り学校を小さくしていくと、部活動とか、教員の定員の配置とかの問題もありますので、学校規模が小さくなると言う事は、あまり良い事ではないと考えています。
それではどの位の規模が良いのかという事が問題となります。しかし少なくとも大変な生徒数の減少が起こると言う事が一つの課題となっています。

行ける高校から、行きたい高校へ

 このような事を背景に色々議論して頂きました。その時の議論の第一が、基本的な考えをこうしようと言う事にしました。
「行ける高校から、行きたい高校へ」としました。
先ほど多様なニーズという事も言いました。学校の方がしっかりと特色を出して多様化していき、「行ける高校」からあの高校へ「行きたい」と思える高校づくりを基本的に考えて行かなければというのが、真ん中に書いてあります考え方です。
内申を見ながらの進路指導で「行ける高校」選びみたいな事が基本的にあるという状況で、私も着任して大変驚いたのですけれども、高校の中に、輪切りのようにタンクが色んな方の頭の中に有るという、そんなここまで輪切りの状態があるのには、いささか驚いたんですけれども、これから子どものニーズが非常に多様化してくる訳ですから、やはり子どもがこんな事したい、こんな方向に進みたいと言うような事を、やはり出来るだけ早く考えさせて、先ほどのこのテーマでは無いですけれども、「夢を持ち」という、それに見合った高校へ進学していく、そこが本当は大切ではないだろうかと思います。
そういう高校で、それを伸ばせるような高校をしっかり私どもとしては用意しておきたい。
つまり何も内申点だけが学校の選択ではなく、子ども達がどういう事をしたいのか、興味、関心、希望、或いはその分野での能力、そのいう物をしっかり受け止めるような受け皿としての高校を用意しておかなくてはならないと思っています。
行きたい高校があるようにして行かなくてはならないなというのが考え方になる訳です。
そういう考え方の中で、実際にはどのような魅力ある学校作りをするかというと、資料の4ページになりますけれど、例えば「魅力ある学校」にはどうしてするのか、「行きたいな」と思う学校。すべての高校が大学へはしっかり行ける。そういうような高校を作る。
大学入学には受験が必要ですから、それに見合った教育課程はしっかり組み込んで、全ての高校から大学へ繋がっていく。そういうような高校を全体像としてはしっかり作っておきたいと思ってます。
それから学校の特色に応じた施設・設備を入れながら柔軟な教育を展開していく。学校の中で、仮に国際高校のようなものを考えるとすれば、徹底したそれに必要な設備を集中的に充実させておいて、外国語をさらに幅広く学べるように先生方の配置も考えて行かなくてはならない。そのようにして、国際高校として訓練してその上で、さらにそれを伸ばしていくため、大学へもその道を活かしながら進んでいける、そのような特色を持った高校をしっかり作っていかなければならないというのが、「魅力ある高校」の一つです。

選択幅のあるコース

 もう一つは、一回入ってやってみて合わなければ修正もきく、選択コースを変えられる、2年になったら変えられるとか、そういう選択制も取り入れられるという新しい形の仕組みも入れていきたい。
やはりこんな事をやりたいと基礎的な事をずっと勉強やってきたけれど、こっちかなと思えば変えられるような、選択も出来るような高校を作って、ある意味では漫然と勉強しているのではなくて、「こういう事を勉強したい。」、「こういう人間になりたい。」「こういう風に社会に中で役に立ちたい。」とかそういう事を子ども達がしっかり目標として、私は、ほんとは中学の時から付けるべきだと思っているんですけども。
そういう中で、高校で基礎的な事をさらに伸ばしていける、そんな状況をしっかり作れる高校にして行きたい。魅力というのは、基礎基本の充実とか、選択幅のある教育とか、そういうような事を学校作りの基本にしていくという考えです。
活力ある学校作りというのは、色々ご議論して頂いたんですけれども、一学年当たり8学級が最も望ましいのではないか。

特色科の推進

 その下に「県立高校の特色科の推進」というのが書いてます。
具体的にはこれから、こんな高校の内容を教育課程としてはどうするか、教員の配置としてはどうするか、施設設備としてはどうするかとか、あるいは他学校との連携はどうするか、大学との連携はどうするかとか、いろんな特色に合わせながら考えていく事になる訳ですけれども。
その中で一例を挙げてますけれども「次代を担うスペシャリストを目指す高校」。
これはそれなりに下の方を見て頂けたらお分かりになると思いますけれども、「ビジネスを学ぶ高校」、「衣食住を通して環境を学ぶ高校」「自然科学を学ぶ高校」とか。
それから「好きな分野、得意な分野を伸ばす高校」。
これは「芸術分野」と「体育分野」とこういう所をさらに充実した形での高校を作っていきたい。
それから「基礎的な事を幅広く学ぶ高校」。これは幅広い全体の知識を学ぶという事。
それから「生活スタイルに応じて、学びたい時に学べる高校」。
これはちょっと、この表現では解りにくいかも知れませんけれども、要するに形として出てくるのは、3部制の高校ですね。単位制ですから1年で何単位取らなくてはならないと言うので無く、3年間でこれだけの単位を取る、場合によっては4年間で取って終了する。
3部制ですから、朝、昼、夜とあって色んな時に学べるような、そういう高校も必要だろうというような事で、それは「生徒の学習ニーズに応える学校作り」という一番下の欄から、こういう事を考えたりしています。
実は今、どういうような高校が考えられるのかという、相当具体的な高校像みたいなものをご議論して頂いてます。
それぞれの高校が基本的にはしっかりと特色を持って行く事だと思っています。
それから先ほど輪切りと申し上げましたけれども、どうも普通科高校と専門科高校の間に壁が有りすぎると思っています。この壁を基本的には取っ払う方向での高校像を作っていかなければならない。
これから子ども達の興味関心をベースにしながら高校というのが存在するとしたら、考えてみたら、何が普通科高校かというような、大変おかしな議論も有るかと思いますので、その壁を取っ払っていくというのも必要かなという事で、これにつきましては、どんな高校像があるかというのは、そう遠くない時に、今年の早い時期に「像」として、インターネット上になるかも知れませんが、何らかの形で皆さんの目にとまるように公表していきたいと思いますし、いま最終的にはどれだけの高校が、どのような形で再編統合されていくところに結びついていく。これを今年の大きなテーマとして進んでいるという事もご理解頂きたいと思います。

県立高校の再編統合

 県立高校は今、基本的にはこんな事を頭に置きながら、再編統合の計画作りは進んでいると、ちょっと頭に置いといて頂ければ有りがたいと思います。
皆さんがお子さんを通わせている小中学校が、大きく変わる年でもあります、具体的に。そして県立高校もこれからこんな高校になるというような動きも見えて来る年にもなるかと思います。
ご議論頂きながら、これを具体的に定着させて行かなければならないと思っています。そのおりに是非、これから地域と学校との協力関係、お互いに自分自身のそれぞれのポジションがあります、それを保ちながら連携していくという取り組みが、大変、重ねて必要だと強調しておきたいと思います。
こんなに大変変化のある時期に遭遇しているという思いを少し大変長い話でしたけれども、これを学校などでお話し頂ければ有り難いかと思います。
大変長時間ご静聴頂きありがとうございました。今後とも皆様方のご活躍を心からお願い申し上げまして、話を終わらせて頂きます。
有り難うございました。


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posted by 奈良県PTA at 09:50| 講演会記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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