2007年08月19日

少人数学級で細やかな指導を  2002(H14)年5月8日

・18道県が導入、グループ学習、複数担任制も

少人数学級で細やか指導を



51.jpg
  18道県が導入
     グループ学習
        複数担任制も



 公立の小中学校でクラスの人数を減らしたり、少人数のクループ学習したりする動きが広がってる。
子どもの個性に応じたきめ細かな教育することで、学力の向上ぱかりでなく、生活指導なども充実させるのが狙いだ。実際にどん効果を挙げているのか。自治体の取り組みや学校現場の実情などを追った。



 「40人」が上限とされていた小中学校の学級編成基準が昨年度から緩和されたのを受け、これまでに18道県が「35人」「30人」などの少人数学級を導入した。
これ以外にも複数担任制を取り入れたり、教科によって習熟度別のグループに分けて指導したりするなど、少人数化に乗り出す自治体が増えている。
 少人数学級は、小学校低学年に導入したのが16道県で多数派。
授業が成立しない「学級崩壊」対策などを理由に挙げ、学習や集団生活の基本的な習慣を身に付けさせることを狙うケースが目立つ。
 昨年度から小学校低学年向けに実施している秋田、塵児島などの5県はいずれも「教員の目が行き届く」と評価しており、保護者からも好意的な反応が寄せられているという。
 一方、山形は2004年度まで段階的に小学校全学年に広げる。
岡山と山口は「いじめや不登校など問題が急増する時期だから」として中学1年に適用する。
 人数の基準で多いのが「35人」で18道県のうち8県を占める。
小学1年に導入した茨城の場合は「環境の継続性を考慮し、幼稚園の基準と同一にした」と説明する。
 埼玉は基準を市町村の裁量にゆだねる。教室や教員数などの条件が整えば「何人でも可」とし、同県志木市は25人に設定した。
 北海道と沖縄は管内で一斉に実施するのでなく、試験的にモデル校を設置。成果が得られれば本格運用するという。
 増員する教員の人件費は道県の負担となるが「教員の給与を5%カットし、浮いた財源を充てた」 という鳥取のように、予算の捻出(ねんしゅつ)に苦労する自治体もあった。
 少人数学級ではなく複数担任制を取り入れたのは香川、兵庫など。島根は小学一年の学級が31人以上の場合、二人の担任を配置した。
 教科により少人数で授業する少人数指導は、昨年度からほとんどの自治体が実施。 小学で国語と算数、理科、中学では数学と英語が多く、いずれも人数は20人前後となっている。



学級編成基準


 53.jpg小中学校の1学級は40人を超えないとする法定基準。 これを基に国が各校の教職員配置人数を算定する。
1959年度に50人と定められ、64年度に45人、80年度に現在の40人になった。
2001年度の制度改正で教科によってはクラスを解体した 少人数指導をすることが可能になった。
各自治体の裁量も広がり、自治体の負担で教員を増やして少人数クラスを編成することもできるようになった。
文部科学省は01度からの5年間で約2万3千人の教員を増員。同省の試算では、小学校の国語・算数・理科、中学の英語・数学・理科で20人程度での授業が可能になる。



  生徒一人ひとり
     しっかり目配り
        学力底上げ成功



 「今度は誰が教科書を読んでくれるかな」。埼玉県志木市立志木小学校2年1組の国語の授業で、 担任の渡辺純一教諭(39)が問いかけると、子どもたちが「はいっ」と一斉に手を挙げた。
 志木市は「基本的な生活習慣を身に付け、基礎学力を向上させるため」として4月から小学一、二年を「25人学級」にした。志木小の2年生は計125人。これまでなら31−32の4クラスになるが、新制度の下で25人5クラスとなった。

 ▽落ち着く空気
 子どもたちの机は教室の中央部にこぢんまりとまとまっている。
先生も一瞬の目配りで子どもの様子が把握できるようだ。指名された子が教科書を読み上げた。
 「一人ひとりに余裕を持ってかかわることができる。ノートを丁寧に見て、どこでつまずいているか点検することもできると思う。子供にとっては、発言の機会が増える。」と渡辺教諭。
 大滝孝久校長は、「最近の子は集団生活に慣れないまま小学校に入学してくる。
教師に対して一対一の関係を求めるから、大人数ではとても対応できない」と少人数化の背景を説明する。
 授業を見て「先生の目が行き届いて、クラス全体が落ち着いた雰囲気になっている」と話したのは参観に来ていた母親の一人。
「一年生のときより『きょう先生とこんな話をしたよ』と子どもが言うことが多くなったと思う」
 ただ、別の親は「少人数だと逃げ場がないから、人間関係がこじれたときが心配」と不安も口にした。

 ▽自分のぺースで  
新潟県上越市立直江津中の3年生の英語は、2クラスを3グループに分けた少人数学習。基礎、標準、発展の習熟度別3コースの中から生徒が選択する。
 基礎コースでは26人の生徒たちが2人組に分かれ、ゲームを楽しみながら英語の例文を読み合っている。 小林景子教諭(45)は机の間を回って発音を直したり、単語の意味を説明したり。
 「一斉授業だと中位の子に合わせた進度になるからどうしてもついてこれない生徒が出てくる。この方法なら一人ひとりの状態に気を配れるし、繰り返しじっくり教えることができる」と小林教諭はメリットを挙げた。昨年導入してから基礎コースの生徒の平均点が最も伸び、学力の「底上げ」ができたという。
 同県新発田市立五十公野小でも5、6年生の算数で2クラスを習熟度別の3グループに分けて 指導している。基礎コースの6年生たちは「自分のぺースで勉強できる」「これまでだったら分からない まま次(の単元)に進んでいたけど、分かるまで教えてくれるからいい」と口をそろえた。

 ▽生活見通せず
 一方で、学級自体の規模を維持したまま、学習集団だけを少人数化するやりには懸念の声も。
 香川県の小学校教諭(45)はクラスを持たず、国語、算数のグループ学習の指導をしているが 「子どもの生活全体を見通した指導がしにくい」と嘆く。
 「クラス内のトラブルを解決しながら勉強も進めていくようなやり方がなかなかできない。小学校では学習集団と生活集団を分けず、クラス自体を小規模化する方向を目指すべきだと思う」と話した。



理想は「1クラス20人以下」
              国立教育政策研が調査


理数系の成績で好結果

 54.jpg子どもの学習環境として、1クラスは何人が望ましいのか。国立教育政策研究所の調査によると、二十人以下の少人数学級は、それ以上の大きな規模の学級より理数系の成績が良く、教師から個別指導を受けた経験も多いという結果が出ている。
 ただ、同研究所の高浦勝義・初等中等教育研究部長は「少人数というだけで学習面の効果があるとは限らない。
40人学級と同じような一斉授業をするのではなく、習熟度別授業など指導方法の工夫が必要だ」としている。
 同研究所は2000年度に小学5年と中学2年の算数・数学、理科の学力や学習状況について計約600校を抽出調査。
学級規模別に@20人以下A21−25人B26−30人C31−35人D36−40人の5グループに分類して分析した。
 学力面では中2の数学の「知識理解」に関する設問(9点満点)の平均点が、21人以上では5.34−5.78点だったのに対し、20人以下では6.01点だったのをはじめ、小5、中2とも20人以下の学級の教科別平均点は、ほかのグループの得点を上回った。
 学習状況では、中二に対し「理科で勉強の進み方が早すぎて困ったことがあるか」と尋ね、「よくあった」という答えを1点、「全くなかった」を4点として4段階で点数化したところ、21人以上は平均2.32−2.45だったのに、20人以下は2.63で「授業に置いていかれる」子が少ないことを示した。
 小5に「算数の授業中、先生にノートやプリントを見てもらったことがあるか」尋ねたところ、20人以下の学級の子はこうした個別指導を受けた経験も多いことが分かるなど、多くの項目で20人以下の方が良い結果となった。
 文部科学省は、一部教科で20人程度の少人数指導が可能になるよう小中学校教員の定数を増やす計画を進めている。
「20人という計画の目安が結果的に調査報告と一致した。計画を進め、効果を期待したい」としている。



posted by 奈良県PTA at 10:38| 教育問題切り抜きBOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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