2007年08月19日

勉強ってなに?  2002(H14)年4月 読売新聞

・中3女子の投稿に反響



大阪市の中学三年女子の「問い」が、大きな反響を呼んだ。読者から寄せられた手紙、
ファクス、メールは40通余り。彼女が抱いた疑問に真剣に答えて下さったそのお便りから
この欄を始めたい。
そして今、教育に最も必要とされている、学ぶことの意昧、面白さを皆さんと一緒に考えて
いきたい。
 彼女の投書は、3月11日付の紙面に載った。

勉強って何やろ?勉強ってどういう意味?何で子供は学校で勉強するんやろ?
大人は勉強してるん?勉強は頭いい子と悪い子つくってるやん悪い子は仕事したり高校行ったりできへんし、バカにされるやん。誰か、勉強とは何か教えて」

高校受験を目前にした15歳の問いかけ。高1を頭に3人の子どもがいる神戸市の主婦(39)は「我が子の叫ぴのような気がして」と、メールを送ってくれた。要約してしまうには、もったいない内容なので、少し長くなるが紹介する。



《あなたの様に「何やろ?」って自分で考えて、調べたり、聞いたりして自分で納得(理解)する事が 勉強だと思います。
だから、勉強する(学ぶ)気にさえなれば、学校なんかなくたって人は勉強できるのです。
たとえば、自分の周りの人からでも、空や鳥、花や石からさえも。
「だったら今している勉強は何?」と思うでしょう。「学校なんかいらないんじゃない」と思いますよね。でもね、それはあなたが今までちゃんと家庭や学校で勉強してきたから、そう思えるんですよ。
小学校や中学校は、効率よく基礎を学ぶ場所として、必要なんです。
ことばを覚えなければ、ものを知ることも、人に聞くこともできません。
読み書きができなければ、本やインターネットで調べることも、手紙やメールを書くこともできません。
計算ができなけれぱ、買い物に困るでしょう。「それなら、小学校の勉強で充分」って思うかもしれません。
確かに、世の中がもっとシンプルな時代だったなら。ただ生きていくだけなら、充分だったかもしれません。
 ここまでの勉強なら、あなたも必要だということが、わかっていると思います。
ここから先は、複雑な現代を生きていくための勉強になります。そして自立と豊かな人生を送る為の勉強です。
とはいえ、中学校は義務教育で、普段の生活には必要のないような難しいことを勉強させられますね。これがあなたたちにとっては、納得できないのでしょう。
実は私も中学生の頃は、そう思いました。「わたしのやりたいことはこれ。ほかは無駄じゃないか」と。
 でも、大人になって分かったことが三つあります。
一つは、学生時代考えていた教科の枠は、大人社会に出たら、ないということ。
たとえば、医者や科学者になるんじゃないから、理科は必要ない。なんて考えていたら大間違い。
だれでも、料理や掃除、洗濯は、しますね?それらの商品の裏の成分表……これは化学です。 化粧品も薬も化学。
すべてを理解する事は無理ですし、そこまでの必要性はないと思いますが、安全に暮らすために、それらを理解するための最低の知識は必要なのではないでしょうか?
数学だって、あれは頭の体操だったと、今は思っています。
 世の中、問題も答えも無数にあります。それらを漠然と考えるより、数学のように一つしかない 答えを求めて考える方が考えるトレーニング(頭の体操)になると思いませんか?
社会は、世界中の人と伸良く暮らすための知恵。とくに歴史は、過去の過ちを繰り返さないための手引書であり、未来への参考書とは、考えられませんか?
国語や英語などの語学は、もちろんコミュニケーションの手段であるとともに、心を癒やしたり、豊かにしてくれる教科だと思います。》
 もう一つは、今白分がなりたいと思っている職業が、変わる可能性もあるということ。
これ、と思ってそのことしか勉強しなかったら、やり直しはできません。様々なことを学ぶのは、それだけ可能性も広がります。
やりたいことが見つかっていないのであれば、全力投球してみて下さい。全力を出し尽くしてこそ、自分の向き不向きがわかります。
学生時代は自分を試す時でもあるのですから。

確かにあなたが感じている不満や、不安、矛盾が今の学校教育の中にあると思います。
受験戦争なんて特にそうですよね。合格するために受かりそうな学校を薦められる・・・本末転倒です。
選ぶ学校が違えば、その先の進路も白分の意志とは違う形で進んでいってしまうのに。
勉強が出来ないことをばかにするような人は、覚えることだけが勉強で、知識をたくさん持っていることがすばらしいことだと思い込んでいる”おバカさん”です。世の中そんな人ぱかりではありません。
でも多いのも事実です。
点数のように、数字にできるものの方が比べやすいのです。
比較が好さな人はそれぱかりこだわってしまうんです。

最後にもうひとつ。私は今、39歳です。この年になると、暗記カが落ちます。全く新しいことを覚えるにはものすごく努力が必要なんです。
身体と同じで、脳にも成長期があると思います。心も身体も頭も柔軟な今を、大切に過ごしてほしいと思います。
 大人になると、教科的な勉強はしていないかもしれませんが、幸せに生きるための勉強はみんなしているのでは?
これは十人十色なので自分で観察してみて下さい。

 きっと、人間死ぬまで「なぜ?」からは解放されないし、幸せになりたいと思っているでしょうから。
あなたの頭は柔らかく、何でも吸収できます。
これからですよ、人生は。やるかやらないかはあなた次第です。
振り返ってみた時、後悔だけはしないでね》



同世代の子どもを持つ母親らしい、優しさに満ちたメッセージ。
勉強は、自分らしく力強く生きていくための手段、というメール、ファクスはほかにも。


《私も20年前、あなたと同じことを思っていたよ》
と兵庫県加古川市の主婦(35)。

《親や先生に反抗ばかりしてたんだよ。私は施設保母になりたくて短大に行ったんだけど、中学や高校での生活がうそみたいに勉強に夢中になったよ。好きなことを勉強するって本当に楽しいよ。何が好きなのかな?
自分だけにしか出来ない何かを見つけて輝いてみようよ》

娘に同じことを聞かれたらどう答えるか考えた母親は
《”あなたの人生を豊かにするために学ぶのよ”と答えます。
わからないことが"わかる"のは素晴らしいと思いませんか?
あなたは木でいえば若木。根を張り、枝を伸ばし花を咲かせるために栄養が必要だと思います。
あらしにも負けないしっかりとした木になるために勉強するのだと思います。
どんな花が咲くかはあなた次第》


   
posted by 奈良県PTA at 10:20| 教育問題切り抜きBOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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